私が本格的に現代射撃祭を集め始めた2013年頃は、コインショウでもオークションでもこのシリーズの金貨はあまり登場しておらず、入手には非常に苦労していました。ただ、日本コインオークションは銀貨は勿論、金貨やピエフォー金貨、プラチナ貨まで色々出ていました。オークションが近づくと次は何が出るかと胸をときめかせておりました。
ところで私はマイナーコイン(通常流通している額面の低いコイン)で重複しているものを大量にもっており、その処分をする必要がありました。新居でも生活スペースを占拠していました。推定で20万枚もあり、オークションに出品しても手間ばかりかかって二束三文になってしまいます。
そこで私は昔、銭洗い弁天でお金を洗ったことを思い出し、七福神のラッキーカードを創ることを思い立ったのです。洗った場所は伊豆のJR伊東駅近くの七福神。ここは七福神のモニュメントがあり、その下に温泉が流れており、コインを洗うことができました。鎌倉の銭洗い弁天は弁財天だけですが、ここは七福神全て揃っています。健康運、金銭運、愛情運、仕事運全て揃っております。
私はコインを七か所全てで洗ってきました。そして七福神のご利益にちなんだ歌を詠み、能書きとしてつけることにしました。
日本の文化は三つ折りの文化で、手紙を封書に入れる場合も三つ折りにします。私は縦横に三つ折りにして、七福神の温泉で洗ったコインに添え、チャック付きのビニール袋に入れて配ることを思いつきました。ちなみに折り方は21通りもありまして、折り方によって好きな神様を表に出すことができます。
例えば素敵な彼女に出会いたいという方は、結婚運を上げてくれる布袋様を表に出すように折ればいいというわけです。
ただ、困ったことがひとつありました。七福神は七人しかおりませんが、マスは9マスあります。2マス余りマス(笑)。そこで当初はChibiyosiの語源になった、神猫ちびや、愛猫ニャン太郎の写真と歌を入れてマスを埋めていたのです。
オークションの前夜、ふと神のお告げがありました。
「余ったマスには射撃祭コインの写真を入れなさい。」
そこで私は夏に購入したプラチナ貨と、その年に発行された金貨の写真を入れたものを作りました。
オークションは好調で、発行枚数3枚のプラチナ貨を落札する等、大きな収穫がありました。
オークションの後にはオークショナーのご厚意でパーティーが開かれましたので私は出席者に名刺代わりに七福神カードを配って回りました。
パーティーの席上、ある人を紹介してくださるということになりました。
驚くべきことにその方は、現代射撃祭コインを発行するAntiqua Coins社の創業者ハーマン・ハバリング氏でした。射撃祭の神様のような方です。
私は心臓が止まりそうになりましたが、ハーマン氏は私が七福神カードで射撃祭コインをPRしてくれているのだと、とっても喜んでくれました。
「あなたの望みは何ですか」と聞かれたので私は勇気を振り絞って答えました。
「私は射撃祭コインのチャンピオンコレクターになりたいです。」
ハーマン氏はにっこり笑って頷きました。
計らずも七福神がハーマン氏と私を結び付けてくれたことになります。
私はこれは絶好のチャンスである。このつながりを必ず活かしてチャンピオンになろう。そして射撃祭をトップクラスの人気シリーズに育てようと心に決めました。