



突然ですが、コインショウはおろか、オークションでも滅多に見られないお宝アイテムをご紹介しましょう。何か、変だと思いませんか。そう、ダイ(金型)なんですね。連休を利用して、サビを予防するためのメンテナンスをしたので、ついでに写真を撮り直したのです。左を向くはずのウナやライオンも女神さまも羊君も、みな、右を向いている。また、よく見るとコインではでっぱっている人物や動物がへこんでいます。
通常ですと、造幣局はコインの製造が完了すると、ダイを壊します。万が一、ダイが盗まれ、それを使ってコインを勝手に作られたら、大変なことになってしまうからです。
ただ、発行元の計らいで譲ってもらうことになったのです。
ダイを売却する場合も、万が一、悪用されたら大変なので、少しキズをつけて、販売するのが暗黙のルールになっています。コインを大量に偽造した場合、同じ位置にキズができますから、偽造品だとすぐにわかってしまう。それによって偽造を防止するというわけです。
ダイは誰にでも譲渡するわけではなく、売る、売らないの判断はディーラーに任せられているようです。特に表裏ペアで譲渡する場合は偽造のリスクはより高くなるわけですから、人を見て売る必要があります。私はコインを偽造することは絶対にしないと信用してもらって売ってもらったわけです。ちなみに誰でも参加できるオークションにダイが出品されたことは1度しかなく、勿論、私が落札しております。
ただ、2枚目のウナとライオンのダイにはキズがつけられておりません。これは発行元Antiqua Coins社の特別なはからいですね。宝物です。
また、上の写真は私の全コレクション(26個)ですが、木枠に入ったものはAntiqua社のミハエル社長(ハーマン氏の長男)からのプレゼントです。2015年に2回目の写真集を自費出版して、そのご褒美としてもらいました。1996年銀貨の両面のダイで、キズもついていない。まさしく家宝ものですね。
こうして入手したダイは実に26個に上り、そのうち表裏ペアになっているのは11組(22個)に及びます。


ついでにダイを使った遊び。
ダイで打ったコインとペアリングすると、左右対称になる。ペアリングするのは銀貨でも良いのだけれど、同じ大きさの発行6枚のピエフォー金貨を使ってちょっと贅沢なマッチングをしました。