4.発行枚数1枚のプラチナ貨

コレクションを始めて半年余り、またまた私は運命的なコインとの出会いがありました。何と発行枚数1枚のコインです。

チャンスは突然やってきました。よく出入りしているコインディーラーで、金貨やプラチナ貨の販売セールがあり、販売リストの中に発行枚数1枚のプラチナ貨が2種類ありました。1990年と1994年のプラチナ貨です。

コイン業界では「発行枚数」と「現存枚数」という概念があります。私は現代射撃祭を選んだ理由として、発行枚数が少ないことが挙げられます。

 「発行枚数」というのは文字通りコインが発行された枚数なのですが、コインは古くなればなるほど、溶解されたり、戦争や革命等で破損・紛失したりして、枚数が減っていきます。そして残っていると推定される枚数を「現存枚数」と呼んでいます。溶解や破損・紛失した枚数というのは推定である場合が多く、ただ「現存枚数は相当少ない」等と数字さえ出ない場合も少なくありません。だから私はあいまいさが残る「現存枚数」というものがあまり好きではなくて、「発行枚数」を基準にコインを評価したいと考えていました。

 私の目の前に世界でたった1枚であることが確実なコインがある。そして価格は1枚あたり80万円と、資金を捻出すれば買えない金額ではありませんでした。

 そして、この時点では金貨も銀貨も半分ぐらいは揃っていたのです。

「この2枚を買えば、将来チャンピオンになれるかもしれない」と思いました。

「他のコレクターがこの2枚を買ってしまったらチャンピオンになれない」とも思いました。

 そこで大枚はたいてこの2枚を購入し、合わせて発行枚数3枚のプラチナ貨を3種類買いました。最初の大人買いですね。

 今、思えば、この決断が私のコレクションライフどころか人生そのものに大きな影響を与えたことになります。

ただ、コレクション全体を見渡してみるとまだ1合目にすぎませんでした。

UNIQUEな

コインを買うと

言うことは

一生売らぬと

言うに等しや

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